筆者が第一子を出産したのは2011年の夏。忘れもしない東日本大地震が起きた年。5ヶ月後に出産を控えていた筆者は保存食や携帯用ラジオ、ポリタンクなど初めて防災用品を買い揃えました。
近年、全国各地で地震や台風による被害が急増しています。
明日は我が身という思いです。
先日、その時の防災グッズを見直してみたのですが...
5年保存可能という水や保存食の賞味期限切れ
保存食用の子供の離乳食はもう誰も食べませんし、賞味期限もとっくに切れていました!
電池が切れたときに非常用を使ってしまい...
カセットコンロやボンベはキャンプに使ってしまい...
携帯用ラジオは試しに聞いてみようと防災バッグから出してそのまま...
...これではいざというときに使えない状況。
万が一、災害に遭ったとき…生まれたばかりの赤ちゃんとお母さんには何が必要になるのでしょう。
女性や赤ちゃんには...一般的な防災用具だけでは足りない!!!!!
赤ちゃんとママの災害時の備え
小さな赤ちゃんを抱きかかえて…またはお腹に小さな命を抱えて避難するということは、自分の頭を両手で覆って着の身着のまま逃げるような避難とは違います。
支援物資が届くまで小さな赤ちゃんに必要不可欠なものは最低限持って避難を臨みたいものです。支援の手が行き届かない場合だって考慮しておかなければ、我が子の命は守れないかもしれません。
生きてこそ…これが第一のこと!ですが、あかちゃんにとっては第二に大切なことも忘れてはならないのだと出産して初めて知りました。
出産入院した総合病院のパンフレットに記載された避難袋の内容と、東北大地震で震災に遭われた方々が貴重な情報をもとに、キャンプの必需品や、さらに新しい情報を加えつつ編集してみました。
まずは避難袋を用意!
ひとまず使っていないバッグなどにまとめてみましょう。出来れば水に強いリュックタイプの方が良いので、準備出来次第そちらに移しましょう!防災セットという形でセット販売されているものはバッグにゆとりがないため、おそらく赤ちゃんの衣類や必需品も入れることは出来ないためおすすめしません!
(重さは5kg程が目安!ちゃんと持ち歩ける重さかどうかを確認!)
あかちゃんとママ(妊娠中も含め)の...避難するときに大切なものとは…?
赤ちゃんに必要なもの
母子手帳
出生してからの大切なデータが記入されています。万が一病院にかかることになった時のために。
お薬手帳
こちらもまた今どのようなお薬を飲んでいるか、または飲んでいたかの大切なデータ。赤ちゃんが産まれて病院にかかった際、早めに作っておきましょう。
紙オムツ
新生児のおむつ替えは頻繁!普段は1日に12~20枚使用します。災害時は紙オムツが足りない場合、ウンチをした時だけオムツ替えをするなど、お尻が蒸れてかぶれない程度の節約を余儀なくされるかもしれません。
10~20枚程防災バッグに入れてサイズが変わるたびに入れ替えるのがベスト。なのですが、サイズアップはあっという間!開封してしまうと湿気を含んでしまうものなので、避難袋には入れておかず、常に1袋多めに家に置いておく状態でもいいのではないでしょうか
お尻拭き
オムツ替えに使用するお尻拭きの枚数は…、おしっこのときは使用品にしても、ウンチの際は1度で6~10枚程使用します。オムツが替えられない状態に陥ってしまうと、お肌が弱い赤ちゃんはすぐに肌がかぶれ、ただれ、それが原因で泣き続けることもあるでしょう。断水になってしまった場合、お尻を清潔に保つためにはお尻拭きがとても貴重なものになり得ます。2〜3袋は入れておきましょう!
ミルク
粉ミルクは70℃以上のお湯が無ければ作ることが出来ません!(※粉ミルクの中にはサルモネラ菌などの細菌が生息しており、それを滅菌するためには70℃以上のお湯でなければなりません)なので、粉ミルクではなく液体ミルクがおすすめ!と言いたいところ…実は日本では液体ミルクを正規で購入することが出来ません!なぜ日本!?これだけ液体ミルクが災害時に役立ったと言われていたのに!
江崎グリコから発売された「アイクレオ」
液体ミルクは非常時に絶対におすすめです!
続いて2019年4月には明治から「ほほえみらくらく」発売開始!
2011年に第一子を出産した筆者にとって、災害は忘れてはならないものとして記憶されています。赤ちゃんの非常時の備えはとても大切なのにミルクに関してはそれを備えておくことの難しさに直面しました。筆者も液体ミルクの活動に賛同し署名をしましたが、この度、東北大震災から8年の時を経て2019年3月11日に液体ミルクが日本でも発売されたことは、これから子育てをしていくみなさんにとって心強いことだと思います。活動してくださった方々に感謝!
出産直後は母乳が足りなかったり、上手く飲ませてあげられず赤ちゃんが満足しないなどでミルクを飲ませることはよくあります。母親が精神的ショックを受けた場合、今まで出ていたはずの母乳が出なくなるということもあります。粉ミルクにも賞味期限があるので大量に準備しておく必要はないので最低限の備えを。
赤ちゃんの授乳やミルクは2〜3時間おき。
一度に飲む量は個人差がありますが、生後1週間後の赤ちゃんは50〜100mlです。
哺乳瓶&ニップル
哺乳瓶は衛生的で耐久性があると言われているのはガラスですが、落として割ってしまうこともありますし、重さもあります。持ち歩きにはプラスチック製がおすすめです。液体ミルクが購入出来ない現状...こういったものを用意するより他はありません。
↓使い捨てタイプもあります。
赤ちゃん用のお水(ペットボトル)
ミルクをつくる際の飲料水。避難袋には500mlのペットボトルを2〜3本。または1.5リットルのペットボトル1本程度が限度だと思われますが、断水用には家に数本備蓄しておくといいと思います。
哺乳瓶の消毒
液体ミルクにはボトルもニップル(乳首)も付属しているものがあります。ですが、粉ミルクをあかちゃんに飲ませるためには哺乳瓶&ニップルの消毒が必要です。
<消毒方法は3タイプ>
・消毒液に漬け込む…消毒液または錠剤、水と容器が必要
・煮沸…カセットコンロ、ガスボンベと鍋(またはやかん)と水が必要
・電子レンジ消毒…専用容器と少量の水、電子レンジ(電気)が必要
現在はまだ液体ミルクを手に入れるのは難しいので、
赤ちゃんにミルクを作るために必要な用具は
粉ミルク(袋タイプ)、哺乳瓶1本&ニップル1〜2こ、飲料水(ペットボトル)、カセットコンロ(コンパクトタイプ)、ガスボンベ、鍋(哺乳瓶が横にして入るサイズ)
かなりガサバりますね。使い捨て哺乳瓶であれば消毒の手間はありませんが、粉ミルクに必要な70℃以上のお湯を沸かすために結局コンロと鍋(またはやかん)が必要になります。
液体ミルクであればこんな必要がないので、ぜひとも適正価格で購入出来る世の中になってほしい!!!!!
離乳食、おやつ、スプーン、スタイ
生後半年頃からスタートする離乳食に向けて準備をしておくのもおすすめです。販売されている離乳食は保存が利きます。お湯や電子レンジを使わない、開封すればそのまま食べられるタイプがおすすめ!スプーンまで付属しているタイプもあります。
その頃になると食べられる赤ちゃん用のお菓子もあります。ぐずったときには助かります。
なるべく洋服を汚さないために使い捨てのスタイもあるといいですね。
ガーゼまたはティッシュペーパー
ミルクの吐き戻しを拭き取るのに。家ではガーゼを使用しますが、災害時にガーゼを洗えない状況が続くと予想されるならティッシュペーパーを。ペーパー類が不足する場合もありますので、物資の状況に応じて。
肌着や衣類
ミルクを嘔吐したり、赤ちゃんの便はユルいので横漏れしたりなど、すぐに衣服を着替えなければならない時があります。普段家にいる時は2〜3回はお着替えさせました。お出かけ時でもそうですが、なるべく洋服を汚さないよう心がけ、汚れたら替えるように。3セットづつは入れられるようにしましょう。
おくるみまたはバスタオル
赤ちゃんの体温管理には必需品です。停電の可能性もあります。車中泊、避難所が快適な温度であることはまず無いと考えます。
毛布
夏以外は必須です。避難所へ持運ぶ際は羽毛布団を布団圧縮袋に入れて小さくするのが最も効率が良いかもしれません。
抱っこひも
新生児の赤ちゃんにも使える抱っこ紐があると便利です。荷物を持ちながら赤ちゃんを抱っこするには必要不可欠なアイテムです。
ベビーケアキット
我が家では…これを常に持ち歩いていました!
新生児の時は常にベビーベッドの側に。そして、赤ちゃんとのお出かけ、健診や予防接種などの通院時ですら必ず持ち歩いていたものです。
べビー用爪切り
赤ちゃんの爪…伸びてそのままにしてしまうと顔に引っ掻きキズを作ってしまいます。こまめにカットを…
鼻吸い器
ママ鼻水とってというものを愛用しています。口呼吸が未熟な赤ちゃんは鼻が詰まるととても苦しそう!風邪をひいた時にはこまめに吸い取ってあげましょう
清浄綿
衛生的なので目元を拭くのに重宝しました。
綿棒
あかちゃんの鼻や耳のお掃除に。便秘の時にはワセリンを使用し綿棒浣腸としても役立ちました
べビー用ピンセット
赤ちゃんの鼻や耳のお掃除に。先端が丸くて安全でした
白色ワセリン
お肌がカサカサしていたり、お尻がかぶれてただれているとき、便秘時の綿棒浣腸に使用していました
処方された薬
オムツかぶれ用、乳児湿疹用などの塗布薬
ママ&妊婦さん用
赤ちゃんの準備の次は、ママの準備です!赤ちゃんのこと優先で、後回しにしがちでしょうが、産後のママさんに大切なものもたくさんありました!出産を目前に控えている妊婦さんもぜひチェックして下さい!
陣痛に備えて
出産を間近に控えている妊婦さん
↓陣痛に備えるものはこちらを参考になさってください。
陣痛時の備え
母子手帳、お薬手帳、保険証
日頃から母子手帳ケースに入れて持ち歩いているものだと思います。
処方薬や常備薬
母子手帳ケースと同様、日頃からバッグに少量入れておきましょう。
現金(小銭)
ケータイ電話の充電が切れてから公衆電話を利用出来るように。「goo防災マップ」などのアプリで公衆電話の設置場所を確認しておきましょう!
葛根湯
急な乳腺炎に備えて。風邪予防
ピュアレーン
授乳で出来てしまったキズに。すぐに病院にかかれない状況を想定し用意。
使い捨てマスク
ホコリっぽい場所や煙、風邪のウイルスから逃れるために。顔を洗うことも出来ないかもしれません。メイクをすることだって出来ない状況のはず。筆者は袋に5枚程入れて常に持ち歩いています。
母乳パット
母乳がよく出るようになってくると、それを受けて吸収させるものが必要になります。母乳パットをつけ忘れたり、ズレたりしただけで、ブラも下着もTシャツまでも母乳まみれになったこともあります。授乳ブラや衣服をなるべく汚さないために必要なアイテムです。
生理用ナプキン
破水や産後の悪露、生理の再開のときのために…これは被災に遭った女性の方が実際にコメントされていました。生理用ナプキンがないのがとても困ったということ。支援物資でも気付かれにくく運ばれて来ることがないといいます。
もしも万が一の時は、紙オムツを切り開いて使用するのも一つの手段として考えます。
織物シート
下着をなるべく汚さないために。断水や避難所などでお洗濯が出来ないときのために。普段から生理用ポーチに入れて持ち歩いている方も多いと思いますが、コンパクトで軽いものなので、防災バッグに入れておきましょう!おすすめは剥がせば2回使えるタイプ。
携帯用ビデ
生理や悪露でデリケートゾーンが汚れてしまった場合のために。肌トラブルが生じやすい方はお薬を一つ入れておくべきです。
ベネトンビデ 4本入り ビデ 女性用 洗浄 洗浄器具 使い捨て におい おりもの 携帯用 挿入型 生理用品 サニタリー ナプキン タンポン |
携帯トイレ
食料や水の備蓄に次いで注目しておくべきは排泄!車にも常備しておきたい。
携帯トイレ Z61 3個入り(カー用品 車 カーアクセサリー 車用品)
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ポケットティッシュ
鼻炎持ちさんには欠かせない!赤ちゃんや小さな子供さんも、鼻水にはやはりティッシュです。箱はガサバってしまうので、ポケットティッシュを入れておきましょう。
使い捨てカイロ
冷えは大敵!免疫力を低下させます。暖をとる、体温調節のために。
授乳ケープ
避難所での授乳を想定して。たくさんの人がいる中での授乳は赤ちゃんにとっても落ち着かないもの。ケープで覆ってあげましょう。
ビニール袋
汚れたオムツや生理用品を入れたりします。ちょっとしたゴミなんかも入れるのに役立ちます。20〜30枚は入れておいてもいいと思います。
サプリメント
日頃から飲んでいる栄養補助食品を。災害時はまともな食事が摂れる状況にはないと思われます。
目薬、眼鏡、使い捨てコンタクトレンズ
コンタクトレンズは手を洗ってから装着をしなければなりません。鏡も消毒も必要になるので避難後に外してからは眼鏡に付け替えられるよう忘れずに持ちたい。個人的に目薬は必需品です。目にゴミが入っってしまったときやアレルギーなどで痒みがあるときに...
アルコール除菌ジェルや除菌ウェットティッシュ
衛生的ではない状況下にあると予想されます。普段家にいる時であれば、小さな赤ちゃんのお世話に一日何度も手を洗います。オムツを替えた後、ミルクを作る前。断水などで、手を洗えないときのために。
ガムや飴、お菓子など
しばらくの間の空腹をしのぐために。非常食で昔からお馴染みは「かんぱん」。喉が渇きすぎないよう程よい甘さと塩分のものを選びましょう。
飲料水
赤ちゃんに母乳をあげているお母さんは特に。水分をこまめに摂る必要があります。
レインコート
雨の日の避難に備えて。
懐中電灯(ヘッドライトタイプ)
夜、暗い中での赤ちゃんのオムツ替えのときのために。両手が使えるヘッドライトタイプがオススメです。真っ暗な避難所の中での懐中電灯の使用には注意も必要です。眩しすぎないライトを!避難所でのろうそくの使用は禁じられているようです。
以上、あかちゃんとママと妊婦さんに必要な...
普段の避難用具だけでは足りない+アルファのグッズでした。
こちらも重要!事前に確認すべきこと!
自分が住んでいる地域にはどんな災害が起こると考えられるか?ハザードマップを確認!
地震大国日本。地震災害の認識は高まってきているはずです。海の近く、山の近く?住宅密集地であれば火災が起きる可能性。水害や火山灰…それらから考えられる災害に備えて準備を始めましょう。
災害時の地域の避難所はどこか?
→学校?公園?市民センター?
災害時に利用出来る医療機関もチェックしておきましょう!
主に県立や私立の病院が受け入れを行うことになりそうですが、災害時に利用出来る一番近い病院を知っておくことも重要です!
妊婦さんや持病のある方は特に!!!!
誰と連絡をとるか?
ケータイ電話がつながらないなど…連絡がとれなかった時に家族と落ち合う場所を決めておくことも大切です!公衆電話の設置場所はgoo防災マップなどのアプリを活用して調べておきましょう!
家の中の安全性のチェック!
・倒れてくるような家具はないか→転落防止対策を!
・上から物が落下しそうなところはないかチェック!
・ガラス類の飛散防止対策!
いざという時のために、地域の防災訓練は家族で積極的に参加しましょう!